みあです。黒紋付、お持ちですか?
黒紋付って?
現在、一般的に「喪服」と言われている着物は、黒紋付です。が、黒紋付は「喪服」というわけではないのです。え?どういうこと(。´・ω・)? って?
黒紋付は、黒の無地で染め抜き五つ紋の入った着物のことを言います。生地は、羽二重、縮緬のほか夏物があり、比翼仕立てになっているものも多いかと思います。未婚既婚は問いません。第一礼装として、冠婚葬祭に着ることができる。ので、錦の帯をあわせて親族の結婚式に、袴を合わせて卒業式(宝塚音楽学校の卒業式をイメージしてね)に、黒の喪帯をあわせて葬儀に、その他各種式典に。いわゆる「ハレの日」非日常で着る着物です。※弔事が非日常であるのは明らかなものの、ハレと呼ぶべきかについては意見が分かれるようですが。
が、黒紋付、これは黒留袖以上に着る機会が限られてきています。いまやイメージが喪に限られるようになってきているから。残念ながら処分される着物のトップが黒紋付という事実もあるようで。このところ、黒紋付=喪のイメージを変えるべく、「黒紋付は喪に限らない」ことを発信される方が増えてきているようですね。
我が家の黒紋付は3枚
全て祖母のものでした。羽二重が2枚。夏物の縦絽が1枚。黒紋付用の長襦袢は真白です。襦袢の柄行が慶事と弔事で変わります。
白黒写真の祖母の写真を見返すと、黒紋付を着ているものが何枚もありました。子どもの節目の際には色無地に黒羽織もよく登場しますが。時代ですね。
ただ、やはり祖母の着物は、私や母の寸法とは合わないので、そのままで着るのにはかなり無理があります。そして、明らかに慶事か弔事かとなると、着る機会がない。慶事でも、親族が黒紋付を着ていないのに、ゲストが黒紋付は釣り合いが悪い、弔事もしかり。また、独身の私の場合、すでに両家祖父母と父が他界し、残るは母と姉妹だけとなった今、黒紋付の出番はすでにほぼ無いと考えたほうがよい。なにか私が主役の式典などあれば、出番が来るかもしれませんが。・・私が主役?・・式典?(゜゜)
が、このまま箪笥の肥やしにするにはもったいない。だって、黒紋付は、我が家の着物の中でも、第一級に良質のもののなかの一つなのですから。そして、箪笥の肥やしは、カビが生えたりシミが出たり、ろくなことがない。
さて。どうすべきか。
結論:黒紋付を、「ケの日の特別枠」に入れる。
着物は祖母の寸法なので、これを私の寸法にするか、このままでなんとか着られる工夫をするかを考える必要があります。羽織に明るい色味のものを合わせて紋を隠してカジュアルダウン、襦袢も白以外、帯は金糸銀糸などが入らないおしゃれでカラフルなものを合わせる。あるいは、紋をあえて見せて中にドレッシーな透け感のあるブラウスをあわせたりアクセサリーを足して「特別なおしゃれ着」として。まだどんなシーンで使えるかちょっと想像がついてないのですけれど。外国で着るには勇気がでない良質な着物なので、着るなら日本国内で。
ところで、皆さん、たとえば付下げや素敵な色の紬などの着物を選ぼうとしているときに、呉服屋さんで言われませんでしたか?「ちょっとしたパーティにも使えますよ。」という一言。
あれ、いつから言われるようになったんでしょうね?友人の結婚式のためにドレスを選ぶ時にも言われた記憶があるのですが、「ちょっとしたパーティ」なんてものはね、期待してもやってこないのですよ、だいたい(´・ω・)
作家さんや芸術家のように表彰されるような機会に恵まれるか、おしゃれしたホームパーティが珍しくないコミュニティに属しているか。そんな人でなければ、「ちょっとしたパーティ」は自分で主催するしかなさそう。「ちょっとしたパーティ」を期待して20年以上経っても、「ちょっとしたパーティ」ってわずか3度ほど。会社のパーティが2回と、ご招待を受けた素敵なお茶会。お茶会のほうは、着物でもドレスでもなくて、ベトナムで誂えたアオザイを着ましたし。だって、身体の20箇所以上計測して誂えたシルクのアオザイ、少しでも体型が変わったら着られなくなることは目に見えていたんだもの。
・・話を戻して。黒紋付はそれが第一礼装であるがゆえに、ちょっとしたパーティのような場面では逆に使いにくい可能性もある。
それならば、現代においては、完全にケの日に振り切ってしまうほうが、使えるかもしれないと思うのです。いや、場合によって良質の着物が泣くことも想定できるので、そこは場所を選びます。
良質の黒紋付、洋服に作り替えるとか、ほかの生地と合わせてバッグやタペストリーにする、というような別の形で長く愛する方法もあるのでしょうが、私は美しい着物を切り刻んで、ミシン縫いしてしまうのは胸が痛むのです・・。着物の形のままで生かす道を見つけたい。
黒という染め色
母が昔からよく言っていましたが、「黒は良いものがすぐにわかる」。
化学染料で染められている洋服には関係のない話だと思います。着物の染めの行程には多くの段階があり、特に黒の場合、黒が黒に見えるからといって、黒1色ではない。この染めの行程を少し知るだけでも、どれだけの手間がかかっているものか気が遠くなりそうです。
せっかくの美しい黒紋付、着物が喜ぶような着方をしたいなぁ。
ちなみに、祖母・母・私の着物に入っている紋は、家紋とは別の「女紋」です。関西地域に特徴的なことのようですが、嫁入りのときに(嫁入りなんて言葉ももう使いませんが)持参する持ち物に「女紋」を入れる。母の持ち物には、着物のほか、桐箪笥や風呂敷にも入っています。これは、母系に代々受け継がれる紋で、祖母の生家や母の生家の家紋とも異なり、母、母方の祖母、母方の曾祖母(母方の祖母の母)・・と遡ることができます。結婚しようが再婚しようが独身だろうが、女紋は変わりません。我々三姉妹も同じ紋を受け継ぎます。他の地域では婚家の紋を入れるようですね。それとも、今はあまり持ち物に紋を入れることもないのでしょうか・・?
紋の話はまた別の機会に。
黒が似合う女は大人だな、と思うごきげん子猫



