続々々 雨のお話

みあです。雨のお話、第4弾。

2018年9月、台風21号の直撃を受けた関西を出発して、東京成田から出国し、ハワイホノルルに到着した私は、現地で最大警戒中だった大型ハリケーンOliviaの鼻先をかすめて、どうにかカナダへ移動することができました。しかし、カナダへ移動するエアカナダに搭乗する前から、アメリカ南部に大型ハリケーンFlorenceが近づきつつあるニュースが入ってきており・・!

ハワイ ホノルル空港にて

なんやらかんやら、いろいろあって、どうなるかわからなかったものの、どうにかハワイを出られる目途がたった私。腹ごしらえを済ませて、ちょっとお土産が欲しいな・・となりました。

なにせ、この旅は、リュック2つでの移動の旅行であるうえに、荷物の重量制限がある格安航空会社も使う予定だったため、荷物をできるだけ軽くしたい!

帰国便は、特に制限を考える必要のないチケットだったので、お土産はほぼヨーロッパで購入することに決めていました。が、やっぱり思い出になるものが各国でひとつは欲しい。

ということで、小さくて、かさばらなくて、私が好き、旅の思い出になるものとは?

答え:絵本

いえーい、そうだ、絵本にしよう!なかなか素敵なお土産だよね。

おぉ!保安チェックの後に、本屋さんがあるし。

選んだのは、『HONU, HONU, Where Are You?』というタイトルの小さな絵本。

Honuって聞いたことあるけど、なんだっけ??と思ったら、ハワイではウミガメを「幸せを運ぶ生き物」「海の守り神の象徴」である神聖な生き物として扱っており、ハワイ語で「Honu」と呼ぶそうな。そうだった、そうだった。

『HONU, HONU, Where Are You?』は、フラップブックという種類の仕掛け絵本。赤ちゃんイルカが、緑のウミガメと遊びたくて海の中を捜す、というお話です。あちこちに、窓のように開け閉めできる仕掛けがあって、緑のウミガメの他にもたくさんの海の生き物がでてきます。

作者はTammy Paikaiさん、とっても可愛いイラストはYuko Greenさんによるものです。

他に、もう一冊『SEASHORE Touch-n-See Hawai’i』という絵本も購入。これは、海辺の生き物を紹介していて、各ページに手で触れるパーツがあるのが特徴の仕掛け絵本。ザラザラしたり海老の髭がピンピンしていたり。こっちもイラストはYuko Greenさんによるもの。作者はEllie Croweさん。

私好みの可愛くて楽しい絵本を手に入れて、ハワイの印象は一気に大満足なものになりました。

カナダ バンクーバー空港にて

いやぁ、そんなこんなで、どたばたしながらもなんとか到着しました、2018年9月12日カナダバンクーバー。ここでは今回はトランジットだけの予定。現地時間の朝7:30に着きまして。ホノルル空港でステラが取り直してくれたチケットは問題ないし、初めて降り立ったバンクーバー国際空港は、とても大きな空港で。

・・そして、バンクーバーも雨でした笑

結構強めの雨脚のなか、タラップを降りたところは外で、そこからバス移動。「あー、9年ぶりにカナダに戻って来たんだ・・」と感慨深く辺りを見渡していました。

外は雨で薄暗い印象のバンクーバー空港でしたが、トーテムポールがあったり、大きな空港内を移動するための客用カートは、荷物だけではなくてスタッフが運転して人間が乗る用の大きなものがあったり、かつてのトロントでは見かけなかったものがたくさん。キョロキョロしながら空港内を散策しました。

次々襲ってくる嵐にうんざりし、東海岸に接近中の大型ハリケーンに不安を感じながらの入国でしたが、さて、ハリケーンFlorenceはどうなった?

ハリケーンFlorenceは

ホノルル空港を発つ時に懸念していたハリケーンFlorenceですが、結論から言うと、カナダ国内においては特に問題ないようで、ようやく嵐に追い回されることはなくなったと判断しました。

しかし、このFlorenceは、9月14日にアメリカ ノースカロライナ州に上陸し、アメリカメインランドのノースカロライナ州、サウスカロライナ州、ヴァージニア州で30人以上が亡くなり、1500か所の道路が封鎖され、甚大な被害をもたらすものとなりました。

このところ、世界全体で、台風、ハリケーン、大洪水が頻発し、被害の規模も大きくなっているように思います・・。

おまけ:搭乗ミス

さて。出発前から嵐に追い回される10日ほどを過ごし、バンクーバーにて、ようやくその心配がなくなったと判断して、ほっとひと安心。バンクーバーからトロントまでの移動に、あと2時間ほど。ラウンジで朝のお茶を楽しみました。

早めに搭乗口へ移動して。さて、あとは乗るだけ。

・・と思ったら。

なんと(ー_ー)!!

ここで痛恨の搭乗ミス!!

小さいお子さん連れの方など、優先的に搭乗させるアナウンスがありまして、「これはまだ・・うーん、次のこれもまだだな・・私の席はどういうふうにアナウンスされるんだ?」と思いながら、待っていたのですが、肝心の私のチケットが含まれるグループを聞き逃したのか、「おかしいぞ?」と思っている間に、空席待ちの人々が案内されていることに気づいたのです。

チケット確認している搭乗口のスタッフに、「アナウンスを聞き逃したようです。チケット持ってますがどうなっていますか?と尋ねたものの、そのスタッフの女性は「待って。あっち行ってて。」と聞く耳を持たないのです。私は必要ならかなり強気で押すほうではあるので、再々チケット所持だと迫ったものの、この人は、言い方も失礼ながら全く私を相手にしようとせず、次々とチケットがないのであろう人達を通していきます。結局、私は何度もはねつけられたうえ空席待ちの人を乗せられるだけ乗せたその便は、扉を閉めてしまったのでした。

今思えば、いや、見るからに、あれはかなり問題のあるスタッフだったのですが、そんなことを扉が閉まってから言ってもどうしようもないのです。「私がアナウンスを聞き逃したのは間違いないし、私のミスだけれど、先ほどからチケットを持っているのだと何度も言ったのに、対応されなかった。この状況は納得いかないけれど、とりあえず私は今日中にトロントに着かなければいけないのだから、今これに乗れない私はどうすればよいのか。」と質すと、「この後の便の空席待ちに並んで。」

ひどいもんです。彼女は終始不機嫌な顔。いや、不機嫌になりたいのはこっち。まぁ、海外ですから、こんな程度はそんなに大した話でもないけれど、やはり悔しいのは悔しい。とりあえず、ここで彼女や他のスタッフに正論言ったとしても、喧嘩したとしても、状況は何も変わらないし、キャンセル待ちには並んで今日中の便に乗る必要があるのだから、彼女に構っている暇はない。大急ぎで次の便の搭乗口へ。同じような人たちが、先を争って、走っています。

「う~、なんで聞き逃したんや~!!」などと、ぶつぶつ言いながら、次の便の搭乗口へ行きました。

その日、トロントで泊めてもらう予定の友人に、事情を説明して、なんとか今日中にそっちに行くつもりやけど、もしかすると夜中になるかも・・申し訳ない、とりあえず、乗れるとなったらすぐに連絡すると、メールを送りました。ズラリと空席待ちの人々が並んでいます。周りの様子を見ながら、おとなしく並んでいましたが、この便も搭乗できず。

「これは、おとなしく並んでいるだけでは、明日になっても乗れない!」と判断して、その次の便の搭乗口スタッフに、「チケットを持って搭乗口で待っていたけれど、なれていなくてアナウンスを聞き逃した。何度もスタッフにその旨を言ったのにもかかわらず、彼女は全く聞こうとせず、搭乗できなかった。私は、どうしても今日中にトロントに飛ぶ必要がある。なんとかしてほしい。」と直談判。

ま、言うだけ言って、あとは運まかせです。そして、また搭乗できず。

次に移動です。その便でも、同じように、搭乗口スタッフに事情を説明。あとは天におまかせ・・。

離れたところでは、連れがいない様子のムスリムの女性でしょうか、スカーフを被り、電話を片手に必死の形相で身振り手振りで空港スタッフと話しています。年配の彼女はほとんど半泣き。どういう経緯でなのか、空席待ちの列にいるのだけれど、ご自身が英語をほとんど話せない様子。電話の向こうにいる人に事情を説明していて、空港スタッフの人に電話の向こうの人と話して欲しいようです。が、どうも電話口の人もあまり英語が得意ではなさそう。

カナダは移民国家であるため、英語が満足に話せない人もそう少なくありません。彼女はとても心細そうでした。よくよく周りを観察していると、彼女だけではなく、どうやら簡単なコミュニケーションにも困難を伴う人がチラホラいるようでした。助けてあげたいのは山々でしたが、私も今度呼ばれた名前を聞き逃すわけにもいかず、呼ばれたらすぐに搭乗口に行かなければ、席は他の人にまわってしまいます。電話口の人が頑張ってくれてなんとかなることを祈りました。

同じように空席を待っている地元の男性。さっきの便で、同じように搭乗できず、同じようにまた移動してきて、トロント便の列に並んだため、お互いの状況を訊いたりしておしゃべり。彼はもともとキャンセル待ちで乗ろうと思って空港に来たので、急ぎでもありませんでした。もしかすると航空会社の関係者だったのかもしれないですね。次々他の人が呼ばれていくなか、私が友人を訪ねる旅の途中であること、本来乗るはずだった便に搭乗できなかった経緯などを話しながら、一緒に待っていましたが、その男性も名前が呼ばれ。「なんとかなるって。大丈夫。幸運を。」と言いながら、先に搭乗していきました。まただめか。

と思ったその時。

私の名前が呼ばれました。

!!おお、本来乗るはずの便から3便目、本来9時台に乗る予定が2時間遅れくらいの11時台に席を確保して、なんとかトロントに行けるぞー!やはり、おとなしく順番待ちする行儀の良さだけでは、席の確保は難しかったのでしょう。これが私には必要なのだと主張して手に入れた席。

・・これって、人生でも同じかもしれないなぁ。そんなに多くはないけれど、これまで、いくつかの場面で、強い決意を持って手に入れて実現してきたことってある。普段は穏やかに過ごしていても、いざと言う時には断固として手に入れる覚悟で周りにも主張する必要がある時ってあるんだと思う。

まぁ、日本の外に出ると、そういう場面が少し多くなる気はします。おとなしく周りに合わせることで、社会の大部分がスムーズに成り立っているという国はそうないのです。日本であれば、順番待ちしていればきちんと手に入るであろうたかだか飛行機の空席であっても、ここではボンヤリしていてはなかなか手に入らない。映画『ホームアローン』で、息子の元にすぐに帰る必要があるのだと主張して奔走するママが、空港スタッフだけではなく、お客にも席を譲ってくれるように交渉していたのを思い出しました。

・・出発前からいろいろあったけど、ギリギリなんとかなってきたのは何かの助けがあるから?でもこの旅はスケジュールタイトだし、これ以上のトラブルは勘弁してほしいな・・などと思いながら、やっと手に入れた席で、今回の主要目的地のひとつ、カナダトロントに向かったのでした。

夕方トロントに到着し、荷物のピックアップに行くと、空席待ちでお話していた男性が私を見つけてくれました。「おぉ、席を確保できたんや、よぅやったなー!」と大声。二人とも思った以上に早くたどり着いたことに嬉しくなって、ハイタッチ。

旅での縁とは、面白いものです。私がアナウンスを聞き逃したうえ空港スタッフに邪険に扱われて空席待ちのはしごをすることがなかったら、この人とは話すこともハイタッチすることもなかったのです。「袖振り合うも多生の縁」と言いますが、あの外国人の彼とも何か縁があったのかなぁ。この便に乗らなければ、人生の何かが変わっていたこともあったのかもしれないなぁ。そんなことを考えたりします。

この旅では、この後も小さいトラブルはあったものの、大きな問題にはならず、初めての国でも現地の人たちに助けてもらったりしながら、快適に過ごすことができました。

あ、ちなみに、ドイツではフランクフルトもマンハイムも雨に降られ、フランスではアルザスで遊覧船に乗ったものの雨でした。パラパラとかシトシトと降る程度でしたが、ま、いつものことです。

雨旅であっても、やっぱり旅はワクワクするね~(*^。^*) 

私は国内でも国外でも基本的にひとり旅。国内は車ではなく電車派です。青春18切符のファンです。(でした、かな。諸事情により制度変更されて使いづらくなってしまったのが悲しい。)国内国外問わず、時間的に余裕があるなら出発前に宿も決めていない、ということもあります。国内電車旅なら、行く方向すら決めていなくて、ホームに着いて最初に入ってきた電車に乗って旅が始まるということもありました。気ままな他の旅のお話も、またそのうちに。

多く嵐を呼ぶ能力もある・・のかどうかは知らないけれど、旅は雨より晴れ旅がいいなと思う、ご機嫌子猫